私は銀行勤務を経て、祖父、父が営んできたターンに入社しました。金融業界からの転職というまったく異なる環境に戸惑いながらも、一つひとつ仕事を覚えていきました。その一方で、トラックが起こす悲惨な事故についての報道に繰り返し触れるにつれ、トラック運転士の皆さんをお客さまとする自社の事業を次世代に繋いでいってよいものだろうか…と会社の存在意義に迷い、深く悩むようになりました。
そんなある日、当時社長であった父（現会長）より新聞記事（2008年7月21日 朝日新聞「ルポにっぽん」）を手渡されました。そこには長距離運転士が劣悪な環境下で労働を強いられている現実が特集されていました。その瞬間、それまで深い霧の中にいた私の視界が開け、自社の進むべき道がはっきりと見えるようになってきました。働く環境がたいへん厳しい状況にあるから、飲酒や居眠りに至り、悲惨な事故の原因になっているのではないか。長距離ドライバーの労働環境を改善することができれば、この世の中から1件でも交通事故を減らすことができるに違いない。
深く悩み抜いた結果、私はようやく我が社の事業の目的・意義に気づくことができたのです。祖父、父と繋いできて頂いた我が社の事業には大義がある。その公明正大な大義を果たすため、一生懸命に仕事に打ち込もう。この事業を成長発展させ、世のため人のために尽くすことが私の使命であると気づきました。

自らの世界観を飾りで表現して、安全運転を励行しているトラックを見かけると私はワクワクしてしまいます。飾りには個性があり、一つひとつに運転士の人生や人柄が表現されているように思います。デコトラには運転士のみならず、周りの人々の心を華やがせるような魅力があると私は感じています。
そのためにも、かっこよさやクールジャパンを渇望する将来世代、外国人とともに新しい文化を創造し、仲間を増やしていくことが重要です。
運転士の皆さんが楽しく、癒されるトラックストップや、トラック車両の開発挑戦へと進化発展を遂げ、日本、世界中の運転士の皆さんを笑顔で繋げていきたいと考えています。
新卒の採用を含め、優秀な人材を入れて、これまでの成長を支えてきた人財と新たな成長に必要な人財、この双方が持つ優れた能力が連結することで新たな化学反応を起こし、イノベーションを創造していきたいです。 自ら積極的にアイデアを出し、未来を切り拓いていける人財に期待しています。